2010年07月20日(火)   <<BACK>>

ノクターンの調べ

  知り合いの画家からグループ展のDMをいただいたので、一昨日、西明石まで行ってきた。日中は暑いので夕方に出発した。駅から歩いて5分ほどの所にホテルがあり、その二階ロビーが展示場になっている。
  スペースの関係か、ほとんどが小品であったが水準は高い。それぞれの小品に込められた質の高い雰囲気が、ロビーの一角から全体へと広がろうとしているように感じられた。椅子に坐っていると心地良かった。
 見終わって外に出ると西日が強かった。空の色も青が冴えてくっきりしている。こういう情景は、地方へ旅行にいった時などに味わう夏の夕刻そのものだ。

 午後7時5分、今のこの時刻は夜の帳が降りようとしている。まじめに努力している人には、おいしい水が提供されるべきだ。苦労は決して分かち合うことはできないが。叩かれても叩かれてもなお立ち上がろうしている人、相手を倒すためではなくただ立ち上がろうしている人、彼には水が提供されるべきだ。
 それが唯一この傾いた、そしてさらに傾こうとしている地平を戻す手だてであろう。

 アリス=沙良・オットの弾くノクターン嬰ハ短調が流れてきた。美しければ美しいほど、わたしのこころに鋭く問いかける。

 「果たして、現在のこれでいいのか」

 「悲しみの根拠さえ分からぬ、そのままでよいのか」 と‥‥‥。

 

July 18,2010 6:19PM atNISHIAKASHI
Fuji FINEPIX F70 100-0489


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