2008年12月21日(日)   <<BACK>>

乗越えること

 気がつけば、年末に向けて一直線に、時だけが進んでいるように感じる。米国でオバマ氏が次期大統領になることに決まったが、それ以外ではあまり良いニュースはなかったように思う。特に経済の混乱はどうなるか?来年の大きな課題である。
  たまった新聞を整理していて、ふと、柳田邦男さんのコラムが目に止まった。「子を追い込む 親の拝金主義」(朝日新聞12月2日朝刊)という題名であった。「‥‥優等生を演じさせられる中で、窒息寸前になった子は、反抗して勉強しなくなり、母を殴り倒し、最後には自滅的な方向にいった。根本的には、親の価値観がゆがんでいたからだと思います」
 まさしくそのとおりだと思う。自分に対しよい解決策を探しているが、見いだせないまま歪が大きくなっている。一時はマルチ人間がもてはやされた。そこまでいかなくても、知らず知らず、仕事人間と家庭人間とを使い分けるようになっている人が多いことだろう。その両者を貫く「生き方」を求めようとしても、探す時間がない。大事なことを置き忘れたまま時が過ぎ、そして大人は老い、子供は大人になる。
  もうだいぶ以前のことだが車内吊りのポスターに、宝くじの宣伝のキャッチが出ていた。大体次のようなコピーであったと記憶する。「これで人生の問題はほとんど解決する」。
 「人間て、たったこれほどのものに過ぎないのか。決してそうではないはずであるのに」と強く思ったのを思い出す。
 
 お金や物質だけに頼らない道もあるはずだ。その異なる道を歩いている人も実際いるわけだ。今こそ、そういう人から学ぶことが必要である。そして自身に立ち返り、自分の意にそわない習慣性を見つけ、それを改めることだろうと思う。それは大きな力となると思うのだ。
  そう思う力は、思わない人の数万倍にもなる。人間は必ずこの困難を乗越えられる。

神戸ルミナリエも今年は早く、15日で終わった。終着地である東公園の光のサークルに入ると、なぜか嬉しくなる。

 

 

     

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