2008年08月10日(日)   <<BACK>>

結果に惑うことなく

 昨夜は花火大会があったらしく、若い子達が、ゆかたを着て街中を賑わせていた。今朝は少し早く家を出た。昨日の喧噪はまるで嘘のように周りは静かであった。太陽が草木を照らしていた。
 先日、赤塚不二夫が亡くなった。タモリの弔辞をインターネットのニュースで見て、改めて赤塚不二夫について少し理解した気になった。特に好きだったのは弔辞のこの部分である。

 あなたの考えはすべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れることです。それによって人間は、重苦しい陰の世界から解放され、軽やかになり、また、時間は前後関係を断ち放たれて、その時、その場が異様に明るく感じられます。この考えをあなたは見事に一言で言い表しています。すなわち、「これでいいのだ」と。

 私たちのこの世界には時として、「人生の専門家」がいる。精神、心、魂、さらにサマーディを、解脱を説く。大勢の前で人生を語る人もいる。しかし「人生の専門家」が何を語ろうが、誰しもが「自分の人生の専門家」であるということだ。これは人が代行できないことである。
 どの生き方が優れている、優れていないという価値観は全くもってゴミみたいなものであるが、人々は優れていると評価された人に頭を下げるのだ。
タモリの弔辞から、安易に頭を下げない「自分の人生の専門家」を赤塚不二夫に見ることができた。これはタモリの言葉でもある。二人は得難い真理を共有していたということだろう。

 

 


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