2007年12月31日(月)   <<BACK>>

12月31日

 昨夕から、寒さが厳しくなった。今朝は晴れ渡り、太陽の光がまぶしい。
 昨日で終わった地元の喫茶店が多いので、チェーン店のドトールに入った。今年は地球温暖化問題が大きく取り上げられるようになった。ただそのために必要な地球環境の保全については、それほど大きな進展があったとは思わない。来年はさらなる前進が望まれるところである。
 今日のように、気温が下がると、地球温暖化問題は意識から遠ざかりそうである。しかし一年を通じて見ると、暑すぎる夏と寒すぎる冬の二極化していることがそもそも地球温暖化の傾向であるのだ。夏と冬の間のゆるやかなグラデーションである春と秋が、どんどん圧縮されてきているということである。これにより地球に住む人間は大変住みにくくなった。
 また、地球温暖化と関連することに、水不足をあげることができる。この一年の世界を振り返ると、干ばつと洪水のニュースが目についた。こちらも極端なのだ。住宅も流してしまうほどの洪水が起き、また降雨のない乾燥の期間が続く。
  巨大な水資源であるヒマラヤの氷河もずいぶん小さくなったようだ。人が生きるためには適度な水が長期に渡って
自然から供給されねばならない。ところがそうはなりにくい自然環境になってきている。
 私たちは 科学技術を使ってさまざまな製品を作り出してきた。そのほとんどは人が欲するものを作ることを目的としたもので、自然環境保護を目的としたものは少ない。市場経済の中で物欲を刺激するものが売れ、利益をもたらすのである。
  目先の欲望を満たすものから、長い目で見た環境の保護と人間の幸せを求めることへの転換が必要とされる。科学技術はそのために、
もっと使われるべきだろう。動植物の犠牲も減らしたい。
 実はそのようになるためには、理系の科学技術だけでなく、文系の経済学、法学、文学など広い分野における学問の再構築がされなければならない。残念ながら、どうも少子化の影響か、学生を確保する方向にばかり大学は向いているように思えてならない。
 企業の即戦力になりそうな科目を設けたり、学生の気持ちをひくようなタレントのような先生を招いたりしているようだ。目先の利益にとらわれ過ぎたことにより


 
 

 


生じた環境問題などを考えると、大学自体が同じ轍を踏んではならない。
  学問の根本はやはり「人間の生き方」なのだ。この部分の熟慮がなければ、いつまでたってもフラフラして、単なる思いつきで授業内容のプランニングをすることになってしまうのだ。当面の利益に表れない「人間の生き方」こそ、核でなければならないように思う。もっと大学でしかできない学問があるはずである。
 来年以降、いろんな面でもっと厳しい年になっていくだろう。しかし、これはそれぞれの人が自分の生き方、を見直すチャンスであるようにも思える。道は険しく、山の稜線づたいに歩くようなものである。人類にはその道を歩く勇気と知恵があると思っている。
 そういうことで、2007年も終わりに近づいた。私の拙文を読んでいただいた皆様に感謝します。
 
  どうか来年が穏やかで平和な年でありますように。
 皆さんが健康でありますように。
 あらゆる生命が不条理な涙を流さなくて済むように。

  また来年お会いしましょう。

 


 

 


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