2007年6月23日(土)sutta-nipata   <<BACK>>

【閑話】
写真との出会い

 私が影響を受けた写真との出会いは、今から約20年前、阿倍野近鉄百貨店で行われていたアンリ・カルティエ=プレッソンの写真展の時である。それまで、写真を見て「いいなぁ」と思っても、強い感動を味わったことはなかった。
 ブレッソンの写真を前にして静かに呼吸をすると、写真全体の空気がそのまま鼻腔を通して胸を充満するかのようであった。少し歩いて、また次の写真の前で呼吸をすると、同じようにその写真の空気がそのまま私の胸を満たすのだ。単に満たすだけでない。言いようのない緊張感を伴うのだ。
 そして、このブレッソンの写真が一枚、自分の部屋にあれば、充実した空間になると思った。
 どうやら、この時に私の写真に対する見方が定まったようだ。私にとってすばらしい写真とは「すぐにでも持って帰って、自分の部屋にかけておきたい作品」ということになる。

→ここ数日、雨と晴がめまぐるしく交代している。雲も忙しく様々な姿を見せてくれる。しかし、雲の形がね。無秩序もはなはだしい。大丈夫なんかね、と思わず声が出そうである。しかし、ぐるぐる頭を廻しているのは私ぐらいのもので、他の人はそういうことには全く無関心のようだ。

                    


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