2006年12月25日(月)sutta-nipata   <<BACK>>

執着を離れる(2)

 想い、執着について取り上げているが、『週刊モーニング』という漫画雑誌に宮本武蔵をテーマにした漫画「バガボンド」が連載されている。井上雄彦の画になるものであるが、たまたま今、発売されている号に関連する内容が取り上げられているので紹介する。
吉岡道場の兄のみならず弟まで倒した武蔵は、大きな松の木の上で回想する。これから続く吉岡道場70人との闘い、本位田のオババのこと、そして昨夜喧嘩分かれした幼なじみでもあった又八とのこと、そしておつうのことというように、想いが連関していく。
又八とおつうの部分だけの文字をひろってみる。

又八よう、昨夜のお前が見てたのは俺じゃない。
会わない数年の間に
お前の頭の中に
こしらえた「俺」−−

お前の頭ん中の「俺」
お前の頭ん中の物語

その物語こそが
お前自身の姿を
映している

今のお前を映しているよ

(このように想いが展開していくが、武蔵の観察する目は自分に向けられる 山地 注)

おつう
俺の姿はどう見えた?
俺の目には−−

お前は
そのままだった
拍子抜け
するくらいに

おつう
俺の中に
いつもお前がいる

そして
それもまた
俺のこしらえた
「おつう」なんだ

→比較的、暖かい日が続いている。それにしても一年はすぐにやってくるんだと、改めて感心するやら、‥‥やら。たくさんの雑務を焦ることなく、淡々と進めていけるようにしよう。

 


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