2006年11月25日(土)   <<BACK>>

ブッダが語ったこと(9)
ー世界は何に縛られているかー

  

  何が世界を縛るのですか。
  一体、何が世界を動かしているのですか。
  何を捨てることで、
  ニルヴァーナになると言われるのですか。
  
  喜びによって束縛されているのが
  世界というものである。
  想いが世界を動かしている。
  渇いた心を捨てることで、ニルヴァーナとなる。


 上の言葉はこのWebコンテンツの「スッタニパータを読む」というコーナーで紹介しているが、これはブッダとウダヤ学生との対話(1105〜1111)の一部(1108、1109)であり、パーリ文を訳したものである。 実は一昨日にこの部分の解説をしてサーバにアップしたのであるが、翌日読み返してみて、何と無駄な説明をしてしまったのだと思い、急きょ取り下げた。読んでもらっている人には大変失礼なことをした。
 
  ブッダがいろんな人と対話をしてから、もう2500年程の歳月が経ったことになる。その頃と比べると経済は活発になり、科学技術も格段と進歩した。街には楽しみと喜びがあふれている。そうではあるが、私たちは時代とともにより幸せにはなっていないようだ。日本ではここ数年、自殺者が毎年3万人を超えている。
  ブッダの言葉は歳月を超えて普遍性がある。
 上の言葉に「渇いた心を捨てることで、ニルヴァーナとなる」とあるが、私たちは渇いた心を捨てるどころか、少しでも渇くと、欲しいものを与えてきた。そして、ようやく何を与えても、どんなにたくさん与えても、心が少しも満足しないことに、たくさんの人が気がつき始めた。そう、たくさんの人が‥‥‥と、私は思っている。

→日射しがだいぶ斜めになってきた。あわただしくならないように、余分なことはしないように、12月も来年の1月も静かに暮らしたい。

 


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