2006年09月03日(日)   <<BACK>>

「わかる」ということ(3)

 朝方は少ししのぎやすくなった。転がっている猫の表情も和らいでいる。しかし外に出るとまだまだ木々の影は濃い。
 多くの困難と複雑な様相を示している世界。その原因は人々の心にある。
 突然、話は変わるが「マルチ人間」という言葉がはやった時があった。まったく異なる領域を いくつかもっており、それぞれの領域で専門家顔負けの作品を作ったり、パフォオーマンスを見せるのだ。一つの場所を定め何十年も仕事をしてきた人にとっては、驚きであるだろう。「マルチ人間」という言葉はイコール「豊かな才能」であるかのような印象をもつ人も多い。人々の賞賛やあこがれを背にさっそうと歩んでいる姿は格好よくもあるだろう。しかし私たちは、あまりに「格好」にとらわれすぎる面がありはしないだろうか。ビジネスでは初対面の相手に好印象をもたれるような、衣類や態度は必要であるかもしれないが、家、車、最新の電化製品、それらを揃えても、心の探求がほとんど皆無であるなら、これほど寂しいことはない。

→朝の木々は喜んでいる。太陽をいっぱいに受けて実にすがすがしい。今日は晴れ。雲の動きが季節の変わりを予感させる。

 


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